美濃源氏フォーラムの歩み

E 土岐源氏桔梗フォーラム H14/12/23
土岐一族のまちづくり

        美濃源氏フォーラム事務局
        運営幹事 井澤 康樹

平成14年12月23日月曜日の天皇誕生日に、
土岐市土岐津町土岐口にある「土岐市文化プラザ」において
『土岐源氏桔梗フォーラム−土岐一族のまちづくり』が開催されました。

主催は、土岐会・沼田学舎の会・上山土岐会・妻木城址の会・美濃源氏フォーラムの5団体で
構成する土岐源氏桔梗フォーラム実行委員会で、実行委員長には土岐会会長土岐實光氏に就任頂き、
又土岐市と岐阜県からも多額の協賛を頂戴する事が出来ました。

今回の企画の主旨は、土岐氏発祥地である
旧土岐郡の土岐市・瑞浪市・多治見市・笠原町(唯一土岐郡を守ってきました)が、
平成17年1月をもって合併する事がほぼ確定し、
旧土岐郡の歴史と文化をどのようにして継承してゆくのか、又新市がまちづくりを勘案する中で、
土岐一族の歴史やそのまちづくりを研究する全国の関係団体が相集い、
研究活動の成果や事蹟を発表することによる新市への応援メッセージでもありました。


特に、合併の新市名から【土岐】が消える可能性も多々あり、
古代から続いてきた地名の土岐郡(ときごおり)の必然性であるとか土岐源氏発祥地としてなど、
新市名について歴史と文化を尊重し熟考することが求められているからでした。

それでは、『土岐源氏桔梗フォーラム』の雰囲気を簡単にご照会致しましょう。

まず、開会の言葉を「妻木城址の会」安藤会長が述べた後、
来賓を代表して塚本保夫土岐市長よりご挨拶を頂戴し、
関係各位の土岐氏研究に対する努力に対して深甚なる敬意が述べられると共に、
平安時代より続く土岐の地名を是非残したいとの思いが述べられました。

続く来賓紹介では、古屋圭司衆議院議員を始めとして67名の方々を名簿に基づき御紹介、
又、全国からの土岐一族も、「土岐さん」・「多治見さん」・「妻木さん」・「下石さん」・「小里さん」
・「肥田さん」達の総勢40名の方々にお集まり頂きました。

尚、祝電披露においては
 元内閣総理大臣 細川護煕氏 からも祝辞が寄せられましたので下段に紹介致します。
 
    [ フォーラムの開催を祝し、盛会をお祈り致します 細川護煕 ]

次に、実行委員長土岐實光氏より「土岐一族について」と題して25分間の講話があり、
この事業の為に作成された《土岐系図》が約800名の参加者に資料として配られておりましたので、
系図を見ながら悠久の歴史を感慨深く聴講しました。

特に事前告知として、来場者には《この土岐系図》の配布されることが新聞紙上で照会されたものですから、
当日参加できないが系図だけ欲しいと言う方の代理出席の方も多々あり、
又例のない程の大きさの系図でもありましたので大変喜んでみえました。

そして、参加5団体の土岐氏史跡や足跡についての発表が『土岐会』から始まりました。
『土岐会』の発表は土岐克之氏で、1994年に瑞浪市で開催された
「美濃源氏土岐氏サミット」での発言と同様に、大変熱心な語り口で1995年からの8年間に渡る、
講演や史跡巡り旅行について報告されました。 
  
二番手は、『上山土岐会』事務局の三春弘之(上山市観光協会常務理事)氏で、
2001年から活動を始めた事を報告の上、上山における土岐頼行公やその子頼殷公のまちづくりについて、
特に「紫衣事件」で江戸から流されて寄留していた「沢庵」からの教えを元として
温泉開発などのまちづくりを行った事などを聞き、
上山温泉の繁栄は土岐氏の仕事であった事を誇りに思った方も多かったことでしょう。
 
三番目は『沼田学舎の会』で、小野P和男会長からは人材育成のために沼田藩校として創設され、
重用された学校を現代に活かすべく1991年に創設された事、
そして当会の12年に亘る活動が報告されました。

小野P会長は、現職の群馬県歴史博物館学芸員を務められていますし、
沼田市へ寄贈された沼田土岐家所蔵品の一番の研究者でもありますので、
江戸幕府老中でもあった土岐頼稔公等の精査な研究報告がなされました。
 
次に、地元の『妻木城址の会』について副会長の奥村孝二氏が1994年からの活動が報告されましたが、
元々妻木城の鬱蒼とした草を刈ろうを合言葉に始まり、
紙で作った鎧の子ども武者行列や妻木氏に関わる資料展示など、
地域に根ざしたまちづくり活動としての発展が注目されていました。

最後は『美濃源氏フォーラム』で、監事の宮地芳樹氏が1991年からの12年間の
フォーラムや土岐氏研究講座、又歴史を活かしたまちづくりシンポジウム等等、
「美濃源氏土岐一族の歴史検証とその歴史を活かしたまちづくり活動」について報告致しました。

元々、「瑞浪七夕まつり」のイベントとしてスタートしたものの、市民活動団体として育成される共に、
瑞浪市内や岐阜県内での活動ばかりでなく全国へ情報発信しています。 

その後休憩をはさみ、土岐頼芸の後裔にあたる深沢亮子さんの友情出演があり、
世界的に活躍される高度な音楽芸術に、土岐氏一族の文化が改めて見直されたようです。

演目も、モーツァルトとショパンの3曲それに音楽文化論トークという
ミニコンサートでしたがアンコールは2曲もあり、正に土岐一族のまちづくりに花を添えて頂きました。


『土岐源氏桔梗フォーラム』の結びは、静岡大学文学部教授小和田哲男氏による講演で、
演題は全体テーマでもある「時代を超え続けた人々−土岐源氏よ永久に」でした。

南北朝期のバサラ大名土岐頼遠や戦国期の土岐頼芸、
そして織豊期の明智光秀などの歴史上時代を動かした土岐一族の生き様の後、
菅沼定政が徳川家康より認められ土岐定政に改姓して活躍、
また駿河田中城主土岐頼殷が沼田藩三万五千石の礎などと話されました。

その他、本日参加の5団体を始めとする土岐氏の関係地ネットワークの構築と、
関係史跡の整備と保存についての必要性が提言され、
結びに参加者へのお礼の言葉を美濃源氏フォーラム運営幹事井澤康樹より述べさせて頂き、
無事全ての事業が終了致しました。

今回の『土岐源氏桔梗フォーラム』は、
旧土岐郡の土岐市・瑞浪市・多治見市の三市や沼田市が何れも市花を「桔梗」としており、
又土岐一族の軍団名が「桔梗一揆」であり、何より土岐家の家紋が「桔梗」であることから命名されたのですが、
この麗しく高貴で清楚な花のようなまちづくりが、
今の世でも美濃源氏土岐一族に与えられた使命かもしれません。




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