土岐氏調査・研究ノート

N 土岐氏の文化について @ 禅宗と土岐氏
代々土岐氏は禅宗(臨済宗)を外護の宗としましたが、
日本の禅の始まりは鎌倉幕府第五代執権北条時頼により、
中国より蘭渓道隆を招き建長寺を建立することに始まります。
蘭渓道隆は大覚禅師と呼ばれるその人で、
一方無学祖元(仏光国師)による円覚寺と二大禅宗寺として発展してゆきます。
土岐氏は、光衡が鎌倉幕府の御家人となって以降、
光行・光定そして頼貞が幕府と深い繋がりを持つようになり、
従来の山岳密教系寺院から鎌倉禅宗寺院を基盤とするようになります。
頼貞以降美濃には、二大流派の多くの法嗣が招かれ、
父祖の遺徳を偲ぶ為に歴代美濃守護は寺院を開基してゆきます。
鎌倉から室町へ幕府がうつると、臨済宗は鎌倉建長寺から京都妙心寺へ流派もうつり、
その後土岐氏は曹洞宗をも被護しました。
特に、臨済宗妙心寺派寺院の多さは他県と比較にならないほどです。
又、土岐氏一族の名僧として三代頼康の弟で京都相国寺五世「雲渓支山」、
八百津和知の土岐氏の出自である「東陽英朝」、支流蜂屋氏の出自である「仁済宗恕」がいます。


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